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「卒業式の指導②」大切だと思うことを3つ

 

zundiy.hatenablog.com

前回の続きです。卒業式の指導で大切だと思うことを3つ挙げました。

卒業式は、見栄えを気にする学校行事NO1です。(見栄えを良くすること自体は悪いことではないのですが、それが目的になってはいけません。)そんな学校行事を、子供一人一人の学びに、成長に結び付けるためにどうしたら良いのか、考えてみます。

 

 

①目的を伝える

全ての教育活動の目的は、個々の子供の力を伸ばすことです。最優先するべきは、見栄えでもなければ、集団の力でもありません。個の力が伸びた結果、見栄えが良くなるし、集団の力も伸びる、というのが理想です。(にも関わらず、卒業式は全学校行事の中でも圧倒的に見栄えを優先しがちです。)卒業式も、「子供一人一人にどんな力を身に付けさせるのか」という明確な目的が必要です。職員会議の提案資料にも載っていると思いますが、そこからさらに毎年6年生の先生方が具体的に練り上げる必要がある部分だと思います。

②卒業式の意味を見出させる

教員が「行事で身につけさせたい力」を伝えたところで100%子供が納得することはあり得ません。「卒業式では、姿勢や返事で、成長と感謝を伝えてほしい!」と伝えたとしても、姿勢で伝えるなんて実感がわきません。ちょっと動いただけで叱られるなんて納得がいかない子だって当然います。

そこで大切なのは「この行事は自分にとってどんな意味があるんだろう」と、自分なりの意味を見出すことだと思います。一人でじっくり考えてもわからなければ友達と意見を交換して、その中で、自分の卒業式の練習に対する「納得解」を見出すことが大切だと感じています。それでも、卒業式の練習に納得がいかない、力が入らない児童がいたら、個別指導のチャンスです。「どうした?練習つらい?」と声をかけてあげると良いと思います。

③毎回、その日の目標を伝え評価する

その日の目標が「証書授与の流れを覚えること」なのに、練習の最後に「返事にやる気が無い」と指導をする。

その日の目標が「授与、呼びかけで声をしっかり出すこと」なのに、「動きが揃っていない」と指導をする。

そもそも、「今日は証書授与の練習をします」のみで目標の提示が無い。

これらのように、目標(指導)と評価が一致していないと、子供は「何をがんばれば良いのか」わからず迷子になりますし、「がんばったことを認めてもらえない」ためモチベーションが下がります。その時間の目標は子供たちの道しるべであり、評価は歩いた道をより確かなものにするものです。しっかりフィードバックする必要があります。また、子供同士の相互評価も必須です。

でも…どうなんだろう

ここまで書きましたが、正直ガンガン指導をした場合も、「本当に今まで練習がんばったね、みなさんはとても伸びました。自信をもって、最高の卒業式にしましょう!」と伝えることで、ある程度の児童は自信をもって式に臨み、達成感を感じることができると思います。でも一言で達成感と言っても「つらい練習をやりきった達成感」「自分を成長させた達成感」いろいろあると思います。できることなら、自分を成長させた達成感をできるだけ多く味わわせてあげたい。

そこで今年度は、②の子供が卒業式の意味を見出すということの大切さに気づきました。自分なりの「納得解」をもって臨むことで、全員が練習に向き合う心が育つんじゃないかなあと思います。

 

とは言え、そもそもこんな礼の仕方だとか歩き方だとか返事の仕方だとか証書のもらい方だとか、見栄えにこだわる細かい指導が必要とされる卒業式自体、どうなんだろうと思います。子供が意味を見出す前に、教員自身が、そこに意味を見出せなければ、子供に指導する資格は無いのではないかと思います。

本質を捉えて、子供の思いと、教員の思いを一致させた卒業式の形をもっと探っていかなければいけないなぁと感じます。